スピッツの名曲、ロビンソンの意味や由来は?歌詞の意味も
スピッツは今でこそ日本を代表するロックバンドの1つとなっているが、売れるまでには長い時間を要した。
1991年にデビューしてから、曲作りのほとんどに草野マサムネが関わっていたが、曲を出すたびにセールスが落ちるという苦難の時代を経験しているぞ。
そんなスピッツがデビュー4年目にして初めて手にしたヒット曲が、代表曲でもある「ロビンソン」である。
ただでさえ意味深な歌詞が多いスピッツだが、ロビンソンもその解釈は様々あるぞ。
初のヒット曲
引用元:https://matome.naver.jp/odai/2140626303645712701?&page=1
スピッツの代表曲の1つでもある「ロビンソン」は、1995年に発売された11枚目のシングル。
スピッツファンならずとも、知らぬ人はいないほどの有名曲である。
「ロビンソン」までヒット曲がなかったスピッツだけに、草野は手応えを感じていなかったが、オリコンチャートトップ10入りを果たしているぞ。
2017年現在でも、スピッツの中で最大のヒットを果たした曲である。
ドラマ「白線流し」の挿入歌に起用されたことでも知られているな。
「ロビンソン」という曲名の意味
「ロビンソン」という曲名は、タイにある「ロビンソン百貨店」が由来とも言われているが、仮歌の際に付けられたもので、特に意味はない、という説もあるな。
また、直接的には関係がないが、ロビンソン百貨店の札幌店にて、閉店時のBGMとして店「ロビンソン」が流れたという話もあるぞ。
死をテーマにしている?
草野マサムネ本人が言っていることだが、曲を書く上で、彼は死とセックスのみをテーマにしていると語ったことがあるぞ。
その影響もあり、スピッツの曲を解釈する上で、死を意味していると考える人は多いようだ。
そして、この「ロビンソン」においても、それは変わっていないぞ。
たとえば、1番のサビ前のこのフレーズ。
同じセリフ 同じ時 思わず口にするような
ありふれたこの魔法で つくり上げたよ引用元:https://sp.uta-net.com/song/8487/
どうやら歌詞に出てくる「君」と「僕」は恋仲にあるようで、同じ時に同じセリフを言ってしまうような、映画やドラマでおなじみの、ありふれた魔法で愛を確かめるような、どこにでもいるカップルなのであろう。
そんなありきたりな愛で作り上げられた世界は「誰にも触れない 二人だけの国」なのである。
二人だけの国というのは、イコール愛の国、恋人同士の夢の世界とでも言えようか。
これだけならば、死の臭いはまったくせず、むしろロマンチックな印象すらある。
引用元:https://matome.naver.jp/odai/2140626303645712701?&page=1
しかし、この曲には死を臭わせるような歌詞がちりばめられているぞ。
2番の歌い出しには、このような歌詞がある。
片隅に捨てられて 呼吸をやめない猫も
どこか似ている 抱き上げて 無理やりに頬よせるよ
引用元:https://sp.uta-net.com/song/8487/
隅に捨てられてもなお生き延びている猫というとこには、どこかぎりぎり生きている雰囲気がある。
「ぎりぎりの 三日月も僕を見てた」と、再び「ぎりぎり」が出てくるあたりも気になるな。
そしてサビ前のフレーズで、
待ち伏せた夢のほとり 驚いた君の瞳
そして僕ら今ここで 生まれ変わるよ
引用元:https://sp.uta-net.com/song/8487/
と、「僕」は夢のほとりで「君」を待ち伏せる。
単純に、恋人の夢に登場するという幸せな空想と受け止めることもできるが、思いがけず君を待ち伏せし、生まれ変わった先にあるものが「誰も触れない 二人だけの国」とすると、やはり不穏な印象は拭えない。
「二人だけの国」が意味するもの
「夢のほとり」が表現しているように、ここには川が登場する。
河原の道を自転車で 走る君を追いかけた
引用元:https://sp.uta-net.com/song/8487/
と、1番では現実の川を舞台にし、2番では夢の国のほとりが登場しているが、ほとりというのは湖や川を彷彿とさせる。
現実世界にはない川と言えば、やはり三途の川がイメージされるであろう。
とすると、「僕」が作り上げた「二人だけの国」は、イコール死の国、ということになりはしないか。
ぎりぎり生きている猫や、ぎりぎりの三日月、そして夢のほとりで君を待ち伏せする「僕」。
これらのことを考慮すると、どうやらこれは、亡くなった恋人を追いかけて死を選ぶ男を歌っているのではないかと考えられるのだ。
大きな力で 空に浮かべたら ルララ 宇宙の風に乗る
引用元:https://sp.uta-net.com/song/8487/
ここで言う「宇宙の風」が何を指しているのかは不明だが、この歌詞には2人以外の人間は登場せず、どこか現実世界と切り離された空間をイメージさせる。
もちろん、それが2人愛の世界とも取れるが、先だった恋人を思う男の心情ならば、冒頭の「新しい季節」が「なぜかせつない日々」なのも理解できよう。
引用元:https://youtu.be/51CH3dPaWXc
ちなみに「ロビンソン」は、これらの歌詞から、ストーカーが好きな女を殺す曲、という解釈もされているようだ。
「待ち伏せた」「驚いた君」「生まれ変わるよ」などの歌詞から、確かに無理心中に思えなくもない。
しかし、草野自身は歌詞について言及しておらず、結局のところ、解釈は個人の見解に委ねられている。
自分だけの解釈で名曲「ロビンソン」を味わうのが、スピッツの正しい楽しみ方かも知れぬな。