いわきFCパークの挑戦!アンダーアーマー全面支援の超豪華クラブハウス施設紹介!
2017年7月15日福島県いわき市の静かな山裾にスポーツ界としては日本初の商業施設併設型クラブハウス「いわきFCPARK」がオープンする。
いわきFCは現在福島県社会人サッカーリーグ1部に在籍するアマチュアクラブだ。
Jリーグのビッグクラブでさえも羨むようなクラブハウスを何故実質7部に相当するアマチュアクラブが運営する事になったのか。
そこにはこれまでの日本スポーツ界には無かった新しいビジネスビジョンが存在している様だぞ。
今回は「新しいスポーツ産業を東北に!いわきFCパークの挑戦」と題して、その実態についてまとめて聞かせてやろう。
【目次】
【いわきFCパーク】株式会社ドーム(アンダーアーマー国内総代理店)の全面支援とその理念
「スポーツを通じて社会を豊かにする」という理念のもと、アンダーアーマー国内総代理店として成長著しい株式会社ドームが東北地方の物流拠点「いわきドームベース」を建設するとともに、サッカークラブの立上げを計画し2015年12月に子会社「株式会社いわきスポーツクラブ」を設立。
当時福島県社会人サッカーリーグ2部への昇格を決めたばかりのいわきFC(一般社団法人いわきFC)の運営権を譲り受けた。
2016年には「将来のJリーグ参入」「いわき市内にサッカー専用スタジアム建設構想」などのクラブビジョンを発表。
代表者には元Jリーガーでありながら引退後はスペインでスポーツマーケティングを学び、湘南ベルマーレで社長を勤めていた大倉智氏を招聘。
選手もトライアウト、スカウトなどで20名を新たに入団させ全く新しい体制でシーズンをスタートさせた。
大倉智代表は「新しいスポーツ産業を東北に作り出す事こそが目的」と強調し、「その結果としてJリーグに参入がある」と語っている。
2016年のクラブ立上げからいわきFCは破竹の快進撃を続け、2年目の現在は福島県社会人リーグ1部でもトップを独走状態。
都道府県リーグでプレーするはずもない元Jリーガーや複数のJクラブからオファーがあった若い大卒選手などを次々に獲得している。
最近では6月21日に行われた天皇杯2回戦でJ1に所属する北海道コンサドーレ札幌に勝利したニュースは「ジャイアントキリング」として話題にもなったのを目にした者もいるであろう。
これまでの日本のスポーツ界は目先の利益を追求する傾向にありながらも、実のところそのスポーツのみで独立採算が取れているクラブやチームはほんの一握りで、「スポーツの産業化」という発想はなかなか存在してこれなかった概念である。
単純に大資本を投入してクラブやチームを強化するとう試みはあらゆる所で見る事が出来るが、このいわきFCの取り組みは非常に画期的であり、成功すれば日本のスポーツ界を大きく変える存在になるかも知れぬな。
【いわきFCパーク】選手はアマチュア 昼間は物流センターで仕事を
プロとしてプレー出来る実力を持った選手も大勢在籍するいわきFCだが、選手たちは全員アマチュア契約である。
「いわきFCパーク」内にあるグラウンドやクラブハウスでのフィジカルトレーニングなどを毎日午前中のみ、午後は併設される「いわきドームベース」で物流の仕事に従事しているそうだぞ。
アマチュアアスリートにとって一番の問題である収入についても全く不安なく生活が出来ているのだな。
中にはこれまでサッカー漬けの人生で「働くこと自体が初めて」という選手もいるようだ。
また株式会社ドームはサプリメントの製造販売も手掛けているから、選手にとっては体調管理などの面についてもクラブに対し全幅の信頼を置いている様であるな。
とにかくアマチュアプレーヤーとしては考えられない程恵まれた環境で選手生活を送っているいわきFCの選手たち。
この事実は他の厳しい環境でのプレーをしている選手たちにも当然情報として広がっていくであろうから、今後サッカーファンが驚くようなビッグネームがいわきFCでプレーする日もそう遠くないかも知れぬ。
何しろ、J1クラブの練習環境と比較しても明らかにいわきFCの練習環境の方が恵まれているのは明かであるな。
【いわきFCパーク】クラブハウスは社会のコミュニティに
いわきFCパークの最大の特徴は、そこが単にサッカー選手の為の施設ではないという事だ。
日本初の商業施設併設型クラブハウスといううたい通り、そのコンテンツも非常に魅力的であるぞ。
アンダーアーマー直営アウトレットは勿論、高級輸入車、船舶、家具などの販売フロアー、フィットネスジム、英会話教室まで。
食に関してもかなり凄いという話だ。
既にインショップが決定している「Pizzeria e Craft Beer CRAFTSMAN(ピッザリアクラフトビアークラフトマン)」「浅草今半」「みそかつ 矢場とん」「寿司 正」は6月10日に既にオープン。
特に「Pizzeria e Craft Beer CRAFTSMAN」はクラブハウス3Fのテラス席があり、そこからはいわきFCの練習風景や試合の様子を特等席で観戦しながら食事が取れるという最高のロケーションという事で早くも地元では大きく話題になっているそうだぞ。
いわきFCオフィシャルカフェRED & BLUE CAFEでは自慢のパンケーキを中心に地元食材を存分に堪能できるフードメニュー、自家焙煎したコーヒーが飲めると既に大好評だそうだ。
ちなみにフードエリア営業時間は11:00~23:00(※土日祝9:00~23:00)。
いわきFCを応援したい人やサポーターのみならず、これだけ魅力的なの商業施設が併設されているのであるから、当然サッカーファン以外の方々もこのクラブハウスを訪れるであろうし、それが東京にあるのではなくそれほど大きくない地方都市のいわきにあるという時点で、今後「いわきFCパーク」はその地域社会に暮らす方々にとって重要なコミュニティの場となっていくのであろうな。
地方創世という言葉が叫ばれて久しいが、この「いわきFCパーク」の目指す場所は間違いなくそうした地方都市に力を持たせる、産業基盤をスポーツを通じて作るという新しいビジネスモデルとなるのではなかろうか。
本音を言うととても羨ましいな。
私の周辺にもJリーグのクラブはあるが、その価値をサッカーファン以外の人たちは受けてはいないのが実情。
これはどこのクラブでも同じであろうな。
【いわきFCパーク】まとめ
現在福島県社会人リーグに在籍するいわきFCが仮に順調にステップを上がって行ったとしても日本最高峰のJ1リーグにまでたどり着くのには5~6年かかるシステムになっている。
場合によっては特例でもう少し早くJ1の舞台に上がってくるかも知れぬな。
しかし、大倉智代表が言うようにこの試みは「新しいスポーツ産業を東北に作る出す」事。
これは本当に素晴らしいビジョンである。
Jリーグはドイツのスポーツクラブの在り方を参考に作られたと言われている。
しかし、その実情はどうであろう?
大企業がクラブ名から企業名だけを外し、実質的なオーナーとなっているケースがほとんどで独立採算が取れているクラブは数える程度。
将来に向けて革新的なビジョンも無い。
いわきFCはサッカークラブありきでは無いところが素晴らしいではないか。
まず初めに地域社会にコミュニティとしての価値を定着させてしまう。
様々な人たちが様々なスタンスで「いわきFC」との繋がりを持つ。
こうしたベースがあって初めてクラブチームには本来の存在意義があるのではなかろうか。
「J1に参入したとしてもそれはあくまで結果」こう言い切った大倉智代表。
この日本で初めてとも言っていい新しい試み。是非成功させて欲しいものであるな。